5月から、自分のチームに新入社員が配属される。
22歳の女性。
正直、こんなに早く“後輩ができる日”が来るとは思っていなかった。
僕自身、転職してまだ1年半。
営業としても、まだまだ学びの途中だし、
自分のことでいっぱいいっぱいな日もある。
それでも今、誰かを迎える立場になるということ。
そのことを前にして、不安な気持ちを抱えながら、ふと思い出したのは──
2014年、僕が社会人としてスタートを切った、あの春のことだった。
転職1年半。まさか自分に後輩がつくなんて
僕が今の会社に来たのは、まだ1年半前。
今でも日々、仕事の流れや社内のクセを学びながら、どうにか前に進んでいる。
ようやく自分の営業スタイルが形になりつつある、そんな時期だ。
だからこそ、新入社員が来ると聞いて、最初は戸惑いが大きかった。
「え、俺が教えるの?」
「まだ自分のことすら必死なのに?」
っていうのが、正直な気持ちだった。
不安7割の本音。失敗したらどうしよう
不安の理由は、いろいろある。
どう接すれば、嫌な思いをさせないだろう?
もし言葉ひとつで萎縮させてしまったら?
「この会社、自分には合いません」と言われたら…?
大げさかもしれないけれど、今は“退職代行”なんて言葉もある時代だ。
それに、Z世代の価値観は、僕らの時代とは少し違う。
だからこそ、相手のことを思えば思うほど、慎重になってしまう。
思い出す、自分が新卒だったころの話
ふと、2014年の春を思い出した。
僕が社会人になったとき、配属されたのは20名以上の大所帯の部署。
正直、顔と名前を覚えるだけで精一杯だった。
夜の懇親会では、顔当てゲームが始まり、うまく話せなくて気を使いすぎて、ぐったりして帰った記憶もある。
そして、配属された当初、メンターとしてついてくれた先輩がいた。
でも、その人に対して、当時の僕はこう思ってしまった──
「この人にはなりたくないな」
きっとその先輩も、悪気はなかったはず。
でも、だからこそ今、僕は思っている。
「少なくとも“あの人でよかったな”と思ってもらえる存在にはなりたい」
「あの時の僕に、そう思わせたような先輩には、なりたくない」
それでも3割の期待もある
全部が不安じゃない。
ほんの少し、いや、3割くらいは“期待”もある。
後輩ができたことで、自分も成長できるかもしれない
自分が受け取りたかった接し方を、今度は自分が渡せるかもしれない
仕事をする楽しさを、共有できたらうれしい
完璧じゃなくていい。
でも、安心できる“居場所の一部”にはなれたらいいなと思ってる。
まとめ
新入社員が来る。
それは誰かの新しい人生のスタートであり、同時に、迎える側の自分にも大きな変化をもたらす出来事だ。
10年前、僕もまた不安と緊張でいっぱいの新人だった。
そのときの思いがあるからこそ、今、誰かのスタートを“支える側”になれることに意味を感じている。
期待3割。不安7割。
でもそれが、誰かと働くってことだと思う。
そしてきっと、その不安の中にある「優しさ」こそが、新人にとって一番うれしいものなのかもしれない。